最後に交わした言葉はなんだったっけな。
また飲みに誘ってくださいね。だったか。
それとも お疲れ様でした、また連絡しますね。だったか。
はっきりとは覚えていない。
またどうせすぐに逢えると思っていたから。
その時はただの会話でしかなかったから。
昼下がりの先輩からの1本の電話。
突然すぎる話。
おれのこともかわいがってくれて、飲みの席にもよく呼んでくれて。
嬉しかったなぁ。
飲んだ帰り、同じ方面だったから一緒に電車で先輩と3人で帰ったりしたな。
おれたち酒臭いっすかねなんて笑いながら話して、
鞄に入っていたガムだか飴だかあげたような気がする。
未だに、またガード横を歩いていたらすれ違うような気がするけど。
寂しくて悲しくて嘘みたい。
何が起こるかなんてわからないけど、良い事も悪い事も。
どれも運命だなんて簡単に受け入れることはできないと思ったよ。
もっともっとすぐ近くの人に と考えたらそれだけでも辛い。
おれはどんな時に 生きている って感じるだろうか。
人の死に自分が触れた時、やっと 生きている と感じるのかもしれないと思ったよ。
今こうしていられるのもつい当たり前になってしまうけど、
当たり前ではないんだね。
どんな感情もその人がいないなら伝えられなくなってしまう。
明日すべてが終わっても後悔しないように生きるなんて無理だけど
できなくなる前にそれをしなくちゃな。
できるだけしなくちゃな。